TPPって何

連日、報道を賑わすTPP（環太平洋戦略的経済連携協定）ですが、ここまで毎日騒いでいると否が応でも興味が出ます。

要は、参加国間で相互に、物やサービスへの関税という国内企業の保護を撤廃、更に、非関税障壁と呼ばれる関税によらない保護を撤廃、国内企業への助成さえも認めない、というお話のようですね。
経済限定のEU（欧州連合）のような印象。

[産経msn]ＴＰＰで何が変わるか　輸出拡大も国内産業に打撃　制度変更で混乱も

これにトヨタなどの輸出企業が大賛成なのは当然。
安い労働力を参加国内から調達し、その労働力で作ったものを売る先の、特にアメリカに障壁が無くなるんですから。

一方で、日本との取引が重要な筈の中国や韓国がTPPには参加せず、日中韓のFTA（自由貿易協定）を加速する動きも過去にあったようで。
[WSJ]日中韓ＦＴＡの下交渉を加速化＝3カ国首脳会談で合意

経済圏の構築合戦で、TPPは中国や韓国には明らかに不利。
国内産業への助成撤廃、カルテルなどの防止、模倣・海賊版の取り締まりなど、中国と韓国には耳の痛いことばかりですもんね。
例えば、中国や韓国では当然のようにあるパクり商品は取り締まられ、韓国が国家として支援し、日本に売り込んでいる韓流は公正かつ自由な競争に晒されるなど。

記事にはないものの、日本の労働者として、個人的には労働の項目が気になります。
他国の労働基準の影響を受けて最低賃金は安くなると思われますが、日本で横行しているサービス残業や無料休日出勤などの違法労働は、安いと思って雇用した外国人から拒否され、強制すれば騒がれ、告発されることになるのかもしれません。

消費生活としては、大体のものが安く、その代わり、賃金も安く･･･全ての物事が自由競争に晒されるのは、どうなんでしょうね。
外圧を利用して膿を出し、変革してきた日本、TPPで良くなるといいですね。